"生きるように働く"を読み終えて。
2/20の夜19:30私は自分のお客様を終えてそそくさとおみせをでました。
向かったのは、もう1店舗ある自社のお店です。
その日、3年同じ会社で働いていた先輩が退社すると言うことで挨拶を兼ねて行ったのです。
退社の理由は、独立。
同じ店舗で一緒に働いたのは約10ヶ月ほどですがやっぱりおめでたい事なので、
"次のお店に置いてもらえるようなものをプレゼントしたいな"と思い、
駅前のお洒落なハンドソープ屋さんに行きました。
そのお店の隣は雑貨屋も一緒に売っているカフェがあるんですが、そこからハンドソープ屋さんにもそのまま入れるような作りになっています。
目的はハンドソープ。
"お洒落なお店のお手洗いに合うようなもの"
を探していました。
目的に合ったとてもいい香りのお洒落なボトルに入ったハンドソープを買って私はもうホクホクな気分です。
早く渡して反応が見たい!と急ぎ足にお店を出ようとしたのですが、
ハンドソープ屋さんから雑貨屋さんの方に入った時、一冊の本が目に飛び込んできました。
それが"生きるように働く"でした。
私が働き方について考えるようになったのはつい最近のことです。
それまではがむしゃらに、とにかく下積みをしているような状態で
先輩に怒られながら、お客様にどうやったら喜んでもらえるかを考えていました。
それからスタイリストになって、視点は変わります。
先輩は怒らなくなって、私は自分の腕1つでお客様のヘアスタイルを、生活スタイルをデザインするようになります。
そんな中で色んなことにぶつかりました。
"売り上げ" と "客単価"
私はこの言葉がどうしても好きになれません。
それでもやっぱり会社で働いている以上、会社に貢献しなくては行けません。要するに、意識をしなければいけないのです。
もともと計算は苦手で、ロジカルに計算尽くで何かをする事がどうやっても上手くできないのです。
それでも私は、
お金のために働いてる訳ではなく、
お客様がここを、私を求めて来てくださったことに少しでも何かちゃんとお返しがしたいと思ってやっています。
お客様と話し合ってどんなスタイルにするか決めたら、そのスタイルにするためにはどんなメニューが必要なのか。
もしかしたらプラスメニューでカラーリングを足すかもしれないし、必要がないと思えばパーマは省くかもしれません。それで私のその日の売り上げが下がってしまっても気にしたことはありません。(月計算で下がっていると、何か問題があるのかもしれないと心配にはなりますが。)
常にGIVE&GIVEでいたいのです。
私はお客様のために最適なスタイルを提案して、させていただく。
そのスタイルに対して満足したらお客様はその気持ちをお金に変えて払ってくれる。
そう考えていたいからです。
でもそんな考えは甘くて、会社にとってはマイナスな人材なのかもしれない。
毎日、数字の話をされて、もっと稼ぎたいでしょ?と言われ続けると、あれ?そうだっけ?稼ぎたかったんだっけ…?と思い始めます。
もちろん私が好きなことを楽しめる範囲のお金は必要だと思うし、欲しいとも思います。
そんな事を悶々と考えていた時に
友人であり、お客様でもあり、お姉さん的存在でもある、とてもリスペクトしている方から
"ゆっくり、いそげ"を紹介いただき、読んでみました。
私は文章を読んだり書いたりするのは好きですが、まとめるのは下手くそです。
とにかく長くなります。
最終的に、で???ってなる事も多々あります。
なので、上手く伝えることはできませんが、
"ゆっくり、いそげ" は物語ではないし自伝でもありません。感情が入るような感じではなく、色んなやり方があって色んな人がいて、でも人と人は繋がっている事が感じられるような、暖かい本です。
小説ではないその本を読んでわたしは何度も涙が出ました。
わたしの考え方もきっと正解ではないけど間違いでもなかったんだな。
そんな風に感じさせてくれたからです。
そこで、
色んな働き方というものを知りたくなっていました
(世界って思ってたよりもすごく広い!!)
そんな事もあってたぶん
目に飛び込んできちゃったんだと思います。
(飛び込んできやすい見た目をしてる事もありますが…笑)
緑色の表紙に白い文字これだけでも目を引くのに、触り心地も無機質な感じじゃなく、
温かみがあります。
友人に紹介した時にこの表紙を見て初めて言った一言はまさに、"可愛い!!"でした。
"言葉って誰かに教わるものではないから、自分の気持ちが自然に出る。自分の言葉を帰り際にひと言添えたら、あそこに行ったらなんか気持ちいいなって思うじゃない。それもデザインだと思うんです。そういう気持ちで接客してほしいですね"
みんなの前で朗読したい部分ですね…!
前置きがあまりに長くなってしまいましたが(これだからまとめられない人間は…)
この本を読み終えて、
一言で表すとしたら、"楽しい!" でした。
内容は楽しいこととか面白い事とかネタ帳みたいな感じのものでは全くないです。
ただ、わたしが知らない色んな業界の働く人が見えてきました。
私は大学にも行っていないし、転職もした事がないです。
なので、知り合いはほとんど美容師か保育士・幼稚園教諭です(高校生の時に通っていた学校の学科コースが保育コースだったため)
そうなると、この業界のことは知っていても外に出るとなーんにも知りません。
でも世界はもっともっと広くて面白くて楽しいことや学べる事がたくさんある!
本を読むようになって、知らない事を知る事がとっても楽しくて私はそれが好きだという事を知りました。
"生きるように働く"の著者であるナカムラケンタさんは大学では建築を学んでいたそうです。
"場所" というものを作ってみて、その先に "人" があることに気付き、
「東京R不動産」という雑誌を参考に、求人サイトをオープンさせました。
"日本仕事百貨" というそのサイトは普通の求人サイトとはひと味違います。そのサイトに載せている沢山の職場は全て実際に取材を重ねてその会社の紹介をしています。
嘘が1つもなく良いところも良くないところもどこに熱意があって何を大切にしているのかといのがとてもわかりやすく書かれています。
そのサイトはどちらかというと求人募集というよりは、会社紹介です。
色々な仕事がずらっと並ぶ百貨店のようなもので、職を探している訳でなくても、ウィンドウショッピングのようにあれこれ覗き見するのがとても楽しいです。
なんでも興味を持ってしまう私は今1番気になっているコトは、"ゆっくり、いそげ" のクルミドコーヒーとに行くことと、日本仕事百貨の事です。お話を盗み聞きしたいです。
2/20から約1ヶ月経ってしまいましたが、本当に買ってよかったと感じました。
私の中ではこの、"生きるように働く" と "ゆっくり、いそげ" は1番出会いたい時に出会えた本をだと思っています
もし、生きるように働けていないと感じている方がいれば
是非、読んでみてください!
ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~
- 作者: 影山知明
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2015/03/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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